ひとり親家庭になったとき、まず確認したいのは「税金が軽くなる制度が正しく反映されているか」です。
税の制度は、条件に該当していても年末調整や確定申告で申告しないと反映されないものがあります。
この記事では、全国共通で参考にできる範囲に絞って、税金・保険料に関係する制度をまとめます。
※具体的な金額や判定は、最終的に税務署・市区町村で確認してください。
1. ひとり親控除(最優先で確認)
ひとり親控除は、ひとり親(一定の要件を満たす方)が受けられる所得控除です。
所得控除は、課税される所得を減らす仕組みなので、所得税・住民税の負担が軽くなる可能性があります。
控除額(国税・住民税)
- 所得税:35万円
- 住民税:30万円(一般に住民税の控除額として扱われます)
主な要件(概要)
- 現に婚姻していない(離婚・死別・未婚など)
- 生計を一にする子がいる
- 合計所得金額が一定以下
- 事実婚状態ではない
反映させる方法
- 会社員:年末調整(扶養控除等申告書などで申告)
- 自営業・年末調整で反映されない場合:確定申告で申告
2. 住民税が非課税(または軽減)になっていないか確認
住民税は、世帯の所得状況や条件により、非課税になる場合があります。
住民税が非課税になると、他の制度(就学援助、医療、保険料軽減など)にも影響することがあるため、まず確認しておくと安心です。
確認方法(全国共通の見方)
毎年6月ごろに届く「住民税決定通知書(課税決定通知書)」で確認します。
- 所得割:0円
- 均等割:0円
となっていれば、住民税が非課税です。
※自治体により表記が異なることがあります。
3. 障害者控除(本人・扶養親族が対象の場合)
本人、同一生計配偶者、扶養親族が「障害者」に該当する場合、障害者控除(所得控除)を受けられます。
扶養控除の対象にならない年齢でも、障害者控除の対象になる場合があるため、該当するか確認する価値があります。
控除額(所得税)
- 障害者:27万円
- 特別障害者:40万円
- 同居特別障害者:75万円
反映させる方法
- 会社員:年末調整で申告
- 自営業・年末調整で反映されない場合:確定申告で申告
4. 医療費控除(医療費が多い家庭は要チェック)
1年間に支払った医療費が一定額を超える場合、医療費控除を確定申告で申告できる場合があります。
通院、歯科、薬代などが多い年は、医療費通知や領収書をまとめておくと確認しやすいです。
よく対象になりやすい支出(例)
- 病院・歯科の診療費
- 処方薬
- 一定の通院交通費(条件あり)
※対象範囲や計算はケースで変わるため、確定申告時に確認してください。
5. 国民健康保険料の軽減(社会保険でない場合)
会社の健康保険(社会保険)ではなく、国民健康保険の場合、所得状況に応じて保険料が軽減されることがあります。
該当するかどうかは自治体が判断するため、市区町村へ確認します。
- 相談先:市区町村(国保・年金担当)
6. 国民年金保険料の免除・納付猶予(所得が低い場合)
国民年金には、所得状況に応じた免除制度があります。
免除は「ひとり親だから自動で」ではなく、所得要件などを満たす場合に対象になります。
- 全額免除
- 一部免除(4分の3、半額、4分の1)
- 納付猶予(条件あり)
- 相談先:日本年金機構(年金事務所)または市区町村窓口
7. 寡婦控除との関係(重複に注意)
ひとり親控除と寡婦控除は別制度です。
条件に該当する場合、どちらが適用されるか(またはどちらか一方)になるため、年末調整・確定申告で確認します。
ひとり親家庭の「税金チェックリスト」(年1回)
- ひとり親控除が反映されているか(年末調整/確定申告)
- 障害者控除が反映されているか(該当する場合)
- 住民税決定通知書で「所得割・均等割」がどうなっているか
- 国保の軽減対象か(国保加入の場合)
- 国民年金の免除・猶予対象か(国民年金の場合)
- 医療費控除を申告すべき年か(医療費が多い年)
不明なときの相談先(全国共通)
- 所得税(控除・確定申告):税務署、国税庁の案内
- 住民税・国民健康保険:市区町村(税務課・国保担当)
- 国民年金:日本年金機構(年金事務所)
※制度は改正されることがあります。最新情報は公的機関の案内で確認してください。
