今回はビジョントレーニングについて整理していきます。
ビジョントレーニングとは
ビジョントレーニングという言葉は、
発達支援や学習支援の場で聞くことがあります。
一般的には、
- 目で対象を追う
- 視線を移動させる
- 目と手を連動させる
- 図形や位置関係を捉える
- 見たものを記憶する
といった活動を指すことがあります。
たとえば、
- 動く物を目で追う
- 点つなぎをする
- 迷路に取り組む
- 同じ図形を探す
- ボールを目で追って受け取る
- 見本と同じ形を作る
- 線からはみ出さないようになぞる
などです。
こうした活動が、
目と手の協調、注意を向ける練習、図形を捉える練習として役立つ子はいます。
ただし、ビジョントレーニングをすれば、
学習障害や読み書きの困難そのものが治ると考えるのは慎重である必要があります。
読み書きの困難には、
言葉の音を認識する力、文字と音を結びつける力、記憶、注意など、さまざまな要素が関係します。
そのため、
ビジョントレーニングだけを続ければ、漢字や読字ができるようになる
と期待するのではなく、
本人にどのような困難があるのかを確認し、必要な支援の一部として考えることが大切です。
目の動きが気になるときは、先に視力や眼科的な問題を確認する
文字がぼやける。
二重に見える。
片目を隠して読む。
読むと頭痛がする。
極端に顔を近づける。
行を頻繁に飛ばす。
こうした様子がある場合は、
学習障害だけと決めつけず、眼科で確認することも必要です。
視力や斜視などの問題があれば、
適切な診察や治療につなげます。
目の病気や視力の問題と、
学習障害による読み書きの困難は、分けて考える必要があります。
家庭で行いやすい目と手を使う遊び
特別な教材を用意しなくても、
生活や遊びの中で目と手を使う経験はできます。
たとえば、
- キャッチボール
- 風船を落とさず打つ
- ビーズをひもに通す
- パズル
- 積み木
- 折り紙
- 点つなぎ
- 迷路
- 間違い探し
- 絵合わせ
- 洗濯物を色や種類で分ける
- 同じ形の物を探す
- 見本を見ながらブロックを組み立てる
などです。
ただし、苦手な活動を訓練として無理に続けると、
子どもが嫌になってしまいます。
本人が楽しめる範囲で取り入れます。
タブレットやパソコンは「逃げ」ではなく学ぶための道具
読み書きに困難がある子どもに、
タブレットやパソコンを使わせることに抵抗を感じることがあります。
「手で書かないと覚えないのでは」
「楽をさせすぎるのでは」
「将来困るのでは」
と心配になるからです。
でも、文字を書くことに大きな力を使う子は、
手書きだけを求められると、自分の考えを十分に表現できません。
タブレットやパソコンには、次のような機能があります。
- 文字の拡大
- 読み上げ
- 音声入力
- キーボード入力
- 漢字変換
- 写真撮影
- 録音
- 電卓
- スケジュール管理
- リマインダー
- 地図や乗換案内
これらは学校の勉強だけでなく、
大人になって生活するためにも使う道具です。
苦手な部分を道具で補いながら、
本人が持っている知識や考える力を生かすことが大切です。
「練習すること」と「道具で補うこと」を分ける
学習障害の支援では、
すべてを練習だけで解決しようとしないことが大切です。
たとえば、
| 練習すること | 道具で補うこと |
|---|---|
| よく使う文字を読む | 難しい文章を読み上げてもらう |
| 自分の名前や住所を書く | 長文はキーボードで入力する |
| 数の意味を理解する | 複雑な計算は電卓を使う |
| 時計の基本を知る | アラームや予定表を使う |
| お金の種類を知る | 支払額を計算機で確認する |
| 必要なことを伝える | メモや定型文を使う |
「できるようになること」だけでなく、
「困ったときに道具を使ってできること」も学びです。

