児童発達支援・放課後等デイサービス・ショートステイ・行動援護・移動支援の違いを整理する

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発達障害のある子どもを育てていると、
支援サービスの名前を聞く機会が少しずつ増えていきます。

・児童発達支援
・放課後等デイサービス
・ショートステイ
・行動援護
・移動支援

名前は聞いたことがあっても、
実際には何が違うのか、どんなときに使うものなのか、
最初はとても分かりにくいです。

私自身も、子どもの支援を考える中で、
「これは放デイで相談することなのか」
「外出の付き添いはどのサービスなのか」
「親が限界になる前に使えるものはあるのか」
と、何度も整理し直してきました。

ざっくり言うと、この5つの違いは、どこで・何を支えるサービスか です。

この記事では、発達障害のある子どもを育てる親の目線で、
それぞれの違いをわかりやすく整理します。

目次

まず全体像

サービス名主な対象目的イメージ
児童発達支援主に未就学児発達支援・療育小学校前の療育
放課後等デイサービス小学生〜高校生年代放課後・休日の発達支援、居場所障害児向けの放課後支援
ショートステイ障害児・障害者短期間の宿泊・介護・見守り親の休息、緊急時の預かり
行動援護行動面の困難が強い人危険回避・外出時の支援パニック・飛び出し等への専門的支援
移動支援一人で外出が難しい人外出の付き添い余暇・社会参加の外出サポート

同じ「障害福祉の支援」でも、
目的や使う場面はかなり違います。

子どもに合う支援を考えるときは、
「何に困っているのか」
「どこで支援が必要なのか」
「親の負担をどこで減らしたいのか」
を分けて考えると、少し整理しやすくなります。

児童発達支援とは

児童発達支援は、主に小学校に入る前の子どもが使う発達支援です。

ことば、身辺自立、遊びを通した発達、集団への慣れ、感覚面や情緒面の支援、保護者支援など、子どもの発達に合わせた支援を受ける場所です。

イメージとしては、
小学校に入る前に、生活・発達・集団参加の土台を整える場所です。

たとえば、次のような支援があります。

  • ことばの発達を促す
  • 身の回りのことを少しずつ練習する
  • 遊びを通して人との関わりを育てる
  • 集団活動に少しずつ慣れる
  • 感覚面や情緒面の困りごとに対応する
  • 保護者が家庭で関わるための相談をする

未就学の時期は、発達の土台を作る大切な時期です。

「できないことを直す場所」というより、
その子の発達のペースに合わせて、
生活しやすくなる力を育てる場所と考えるとわかりやすいです。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスは、小学生・中学生・高校生年代の障害のある子どもが、放課後や休日、長期休みに使うサービスです。

よく「放デイ」と呼ばれます。

放デイは、単なる預かりではありません。

子どもが安心して過ごせる居場所であり、
生活スキルや人との関わり、気持ちの整理、将来に向けた力を育てる発達支援の場所でもあります。

内容は事業所によってかなり違います。

  • 学習支援に力を入れているところ
  • 運動や体験活動が多いところ
  • ソーシャルスキルを学ぶところ
  • 生活スキルを練習するところ
  • 不登校傾向の子の居場所になるところ
  • 中高生向けに自立準備をするところ

同じ放デイでも、雰囲気や支援内容は大きく違います。

だから、見学するときは、
「空きがあるか」だけではなく、
「子どもが安心して通えそうか」
「活動量が合っているか」
「先生との相性はどうか」
「家庭の困りごとを共有できるか」
を見ることが大切です。

小学生の放課後等デイサービスで見るポイント

小学生の場合は、
学校後に安心して過ごせること が大きな目的になります。

学校で頑張った後に、さらに頑張らせる場所ではなく、
安心して過ごしながら、少しずつ生活リズムや人との関わりを整えていく場所です。

小学生の放デイで見るポイントは、たとえば次のようなことです。

  • 学校後に疲れすぎないか
  • 安心して過ごせる雰囲気か
  • 活動量が多すぎないか
  • 先生が子どもの特性を理解してくれるか
  • きょうだいや家庭の状況も含めて相談しやすいか
  • 送迎の負担が現実的か

発達障害のある子は、学校でかなりエネルギーを使っていることがあります。

放デイが「もうひとつの頑張る場所」になってしまうと、
帰宅後に崩れることもあります。

だから、小学生のうちは特に、
安心感と生活リズムを重視して考えるとよいと思います。

中学生の放課後等デイサービスで見るポイント

中学生になると、放デイの役割は少し変わってきます。

学校に行けるかどうか。
友達との距離感。
先生との関係。
思春期の不安。
不登校傾向。
将来への不安。

小学生のころとは違う困りごとが出てきます。

中学生の放デイでは、
学校以外の居場所 という意味がとても大きくなります。

特に不登校傾向がある子の場合、
無理に活動量を増やすよりも、
まずは「通える」「否定されない」「安心していられる」ことが大事です。

中学生の放デイで見るポイントは、たとえば次のようなことです。

  • 学校以外の安心できる居場所になるか
  • 本人のペースを尊重してくれるか
  • 人との距離感を練習できるか
  • 気持ちの整理を手伝ってくれるか
  • 無理に集団参加を求めすぎないか
  • 将来の生活に向けた支援があるか

中学生になると、親だけでは話が届きにくくなることもあります。

だからこそ、家庭以外に、
子どもが安心して関われる大人や場所を持つことは、
とても大切だと感じます。

高校生年代の放課後等デイサービスで見るポイント

高校生年代になると、卒業後の生活を見据えた支援が重要になります。

学校を卒業した後、どこで過ごすのか。どんな支援につながるのか。
働くのか、福祉サービスを使うのか。
一人でできることと、支援が必要なことは何か。

高校生年代の放デイでは、子どもの「今」だけではなく、
卒業後の暮らしにつなげる視点 が必要です。

たとえば、次のような支援が考えられます。

  • 公共交通機関を使う練習
  • お金の使い方
  • 買い物の練習
  • 予定を確認する練習
  • 作業体験
  • 困ったときに相談する練習
  • 就労や福祉サービスへの橋渡し
  • 自分の得意・苦手を知ること

高校生年代の放デイは、「卒業後、どう暮らしていくか」を考える入口にもなります。

放デイを選ぶときは、子どもが安心できるかに加えて、
将来の生活につながる支援があるかも見ておくとよいと思います。

ショートステイとは

ショートステイは、短期入所とも呼ばれます。

障害のある子どもや大人が、施設などに短期間泊まるサービスです。

厚生労働省では、介護者の病気などにより自宅で介護できない場合に、障害者支援施設や児童福祉施設などへ短期間入所し、入浴・排せつ・食事などの支援を行うサービスと説明されています。

イメージとしては、
親が病気のとき、用事があるとき、限界になる前に、子どもを安全に預かってもらうサービスです。

ショートステイの目的は、大きく分けると2つあります。

1つ目は、
親が病気・入院・用事・緊急時などで、
家庭で見ることが難しいときに、子どもを安全に預かってもらうこと。

2つ目は、
親の休息、きょうだい対応、家庭を壊さないための余白を作ることです。

発達障害の子どもを育てていると、親が休むことに罪悪感を持つことがあります。

でも、親が限界を超えてしまうと、家庭全体が苦しくなります。

ショートステイは、「もう無理になってから使うもの」ではなく、
家庭を続けていくための安全弁として考えてもいい支援です。

放課後等デイサービスとショートステイの違い

放課後等デイサービスとショートステイは、
どちらも子どもを支えるサービスですが、役割が違います。

放デイは、放課後や休日に通う支援です。

ショートステイは、泊まりの支援です。

比較放課後等デイサービスショートステイ
使う場面放課後・休日・長期休み親の病気・用事・休息・緊急時
通所宿泊
主な目的発達支援・居場所・生活スキル短期間の預かり・介護・親の休息
親の負担軽減日中や放課後の負担を減らす夜間も含めて家庭の負担を減らす

放デイだけでは家庭の負担が大きい場合、ショートステイも含めて相談しておくと、
いざというときの選択肢になります。

行動援護とは

行動援護は、行動面の困難が強く、
外出や行動の場面で危険回避や専門的な支援が必要な人のためのサービスです。

厚生労働省は、行動援護について、自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援や外出支援を行うものと説明しています。

たとえば、次のような場合に検討されます。

  • 飛び出しがある
  • パニックになりやすい
  • 強いこだわりで動けなくなる
  • 他害や自傷のリスクがある
  • 急な予定変更に対応しにくい
  • 感覚刺激で混乱しやすい
  • 外出先で危険判断が難しい
  • 人混みや音、暑さなどで大きく崩れる

行動援護は、単に「付き添う」だけでは足りない場合の支援です。

外出先や行動の場面で、
危険を避ける必要がある。
パニックや混乱への対応が必要。
本人の特性を理解した専門的な関わりが必要。

そういうときに考えるサービスです。

移動支援とは

移動支援は、一人で外出することが難しい障害児・障害者に、ガイドヘルパーが付き添うサービスです。

札幌市では、ガイドヘルパーを派遣し、外出時に必要な援助を行うものと説明されています。対象は、知的障がいや精神障がいなどにより、単独での外出が困難な方などです。

イメージとしては、親以外の人と、安全に外へ出る練習・経験を積む支援
です。

たとえば、次のような外出で使うことが考えられます。

  • 病院に行く
  • 買い物に行く
  • 図書館に行く
  • 余暇活動に行く
  • 公共交通機関を使う練習をする
  • 地域の活動に参加する
  • 外出経験を増やす

発達障害のある子どもは、
家と学校以外の場所に行くこと自体が負担になることがあります。

親となら行けるけれど、親以外の人とは難しい。
公共交通機関が不安。
予定変更に弱い。
外出先で疲れやすい。

そういう場合、移動支援を使うことで、少しずつ外に出る経験を増やせることがあります。

移動支援と行動援護の違い

移動支援と行動援護は、どちらも外出に関係する支援なので、少し分かりにくいです。

大きな違いは、一般的な外出の付き添いか、行動上の危険回避が必要かです。

比較移動支援行動援護
主な目的外出の付き添い危険回避・行動面の専門的支援
イメージガイドヘルパーと外出するパニックや飛び出し等に対応しながら支援する
使う場面買い物、余暇、社会参加、通院など行動上の混乱や危険が予想される外出・行動場面
支援の重さ外出経験を支える危険回避や専門的対応が必要

移動支援は、「一人では外出が難しいから付き添ってもらう」支援です。

行動援護は、「付き添いだけでは足りず、危険回避やパニック対応が必要」な支援です。

子どもの外出の困りごとが、単独外出の不安なのか、
行動上の危険や混乱なのかを分けて考えると、相談しやすくなります。

5つのサービスの違いを一言でまとめる

比較違い
児童発達支援と放課後等デイサービス未就学児か、就学後か
放課後等デイサービスとショートステイ通う支援か、泊まる支援か
放課後等デイサービスと移動支援事業所で過ごすか、外出に付き添うか
移動支援と行動援護一般的な外出付き添いか、行動上の危険回避が必要か
ショートステイと行動援護泊まりの預かりか、行動・外出場面の支援か

こうして並べてみると、それぞれの役割が少し見えやすくなります。

発達障害のある子どもがいる家庭では、どう考えるか

ASDやADHDがあり、学校や外出、感覚過敏、予定変更、選択肢の多さで負担が出やすい子の場合、
サービスは次のように整理すると考えやすいです。

放課後等デイサービス

学校以外の安心できる居場所です。
生活スキル、気持ちの整理、人との距離感、将来準備などを考える場所になります。

不登校傾向がある子の場合は、「活動が多いか」よりも、
まず安心して通えるかどうかが大切です。

ショートステイ

親が限界になる前の安全弁です。

緊急時だけではなく、
親の休息やきょうだい対応、家庭全体を守るための選択肢として考えてもいいと思います。

行動援護

パニック、飛び出し、強い混乱、危険回避が必要な外出や行動場面で検討する支援です。
感覚過敏や予定変更への弱さがあり、外出先で大きく崩れやすい場合は相談してみる価値があります。

移動支援

親以外の人と外出する練習になります。

買い物、余暇、公共交通機関、地域参加など、
家と学校以外の経験を少しずつ増やす支援として考えられます。

相談するときの伝え方

支援サービスを相談するときは、「サービス名」だけを言うよりも、
家庭で何に困っているのかを具体的に伝えると相談しやすくなります。

たとえば、区役所や相談支援事業所に相談するときは、次のように伝えると整理しやすいです。

放課後等デイサービスだけでは家庭の負担が大きいので、
ショートステイ、行動援護、移動支援も含めて、
子どもごとに使えるサービスを整理したいです。

外出時の不安定さ、感覚過敏、予定変更への弱さがあります。
また、親のレスパイトの必要性もあります。
どのサービスが対象になる可能性があるか、相談したいです。

このように伝えると、「放デイを増やしたい」だけではなく、
家庭全体の負担や、外出・行動面の困りごとも含めて相談しやすくなります。

申請先の考え方

障害児通所支援や障害福祉サービスは、
自治体の窓口や相談支援事業所とつながりながら進めることが多いです。

自治体によって移動支援は区役所への支給申請が必要とされています。

実際に使えるかどうか、
どのくらい支給されるか、
どの事業所が対応できるかは、
子どもの状況や自治体の判断、事業所の空き状況によって変わります。

そのため、まずは次のところに相談するとよいと思います。

  • 区役所の障がい福祉担当
  • 相談支援事業所
  • すでに利用している放課後等デイサービス
  • 主治医や医療機関
  • 児童相談所や関係機関

「今すぐ使うかどうか」だけではなく、いざというときの選択肢として、
早めに情報を集めておくことも大切です。

まとめ|支援サービスは、親が限界になる前に整理していい

児童発達支援、放課後等デイサービス、ショートステイ、行動援護、移動支援。

名前だけを見ると分かりにくいですが、それぞれ支える場面が違います。

児童発達支援は、小学校前の発達支援。
放課後等デイサービスは、就学後の居場所と発達支援。
ショートステイは、泊まりの預かりと親の休息。
行動援護は、危険回避が必要な子の専門的支援。
移動支援は、外出の付き添いと社会参加の支援。

発達障害のある子どもを育てていると、親だけで何とかしようとしてしまうことがあります。
でも、家庭の中だけで抱え続けるには、あまりにも大きい負担があります。

支援サービスを知ることは、親が楽をするためだけではありません。
子どもが家庭以外の場所で安心できる経験を増やすこと。
親以外の大人と関わる機会を作ること。
将来の生活につながる力を育てること。
そして、家庭が壊れないように余白を作ること。

そのための選択肢です。

親が限界になってから探すのではなく、少し余力があるうちに、使える支援を整理しておく。
それも、発達障害のある子どもと暮らしていくための大切な準備だと思います。

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