今回は学校への相談、生活に必要な知識の学習について整理していきます。
学校に相談できる支援と合理的配慮
学習障害のある子どもは、
学校で一部特別な指導や配慮を受けられる場合があります。
考えられる配慮には、次のようなものがあります。
- 問題文を読み上げる
- ふりがなをつける
- 文字を拡大する
- 問題数を減らす
- 書く量を減らす
- 口頭で答える
- タブレットやパソコンを使う
- テスト時間を延長する
- 別室でテストを受ける
- 解答欄を大きくする
- 計算機や九九表を使う
- 板書を写真で記録する
- プリントを事前に受け取る
- 宿題の量を調整する
- 通級による指導を利用する
必要な配慮は、診断名だけで一律に決まるものではありません。
子どもが何に困り、
どの方法なら学べるのかを学校と共有します。
学校に伝えるときは「できないこと」だけでなく「できる条件」を伝える
学校へ相談するとき、
「漢字が書けません」
「文章を読めません」
「計算ができません」
だけでは、具体的な支援につながりにくいことがあります。
そこで、
- 読み上げると内容を理解できます
- 選択式なら答えられます
- 文字を大きくすると読みやすくなります
- 口頭では説明できます
- 電卓があれば文章問題の考え方に集中できます
- 問題数を減らすと最後まで取り組めます
- タブレット入力なら文章を作れます
というように、
どのような条件ならできるのか
を伝えます。
本人の苦手だけでなく、
学べる方法を学校と共有することが大切です。
テストの点数だけで理解度を判断しない
読み書きに困難がある子は、
内容を理解していても、テストで示せないことがあります。
問題文を読むのに時間がかかる。
答えは分かっていても漢字で書けない。
書くことに時間を使い、最後までたどり着かない。
その結果、点数だけを見ると、
何も理解していないように見えることがあります。
しかし、
- 口頭で質問する
- 選択肢から選ぶ
- 図を使う
- 実物を見せる
- パソコンで入力する
- 問題文を読み上げる
という方法なら答えられる場合があります。
評価方法を変えることで、
子どもが本当に理解していることが見えることがあります。
生活に必要な読み書きを優先する
学年相当の漢字をすべて書けることだけが、
将来の生活に必要な力ではありません。
まず身につけたい読み書きには、次のようなものがあります。
- 自分の名前
- 住所
- 電話番号
- 家族の名前
- 学校や職場の名前
- 駅名やバス停
- トイレや非常口などの表示
- 薬の名前や飲む時間
- 食品の賞味期限
- 注意書き
- 簡単な申込書
- メッセージを読むこと
- 困ったときに助けを求める文章
手書きが難しい場合は、
スマートフォンに登録して見ながら書く方法でもかまいません。
将来、一人で生活するために、
何を読めれば安全なのか。
何を書ければ手続きできるのか。
生活から逆算して学ぶ内容を考えます。
生活に必要な計算とお金の学習
計算では、プリントの正答率だけでなく、
生活の中で数を使えることを目指します。
たとえば、
- 硬貨や紙幣の種類を知る
- 値札を読む
- 予算内で買い物をする
- 合計金額を電卓で出す
- おつりを確認する
- 時計や時間を確認する
- カレンダーを読む
- 日数を数える
- 分量を量る
- 交通費を調べる
といった力です。
実際の買い物で練習する
500円で買える物を選ぶ。
2つ買うといくらになるか計算する。
セルフレジを使う。
本人の生活に関係する場面で学ぶと、
必要性を感じやすくなります。
電卓を正しく使う練習をする
数字を正確に入力する。
足し算、引き算を選ぶ。
表示された金額を確認する。
電卓を使うにも、練習が必要です。
時計と予定管理は、デジタルも使う
アナログ時計を読むことが難しい子もいます。
アナログ時計の学習を続けながら、
生活ではデジタル時計を使ってもかまいません。
また、
- スマートフォンのアラーム
- タイマー
- カレンダー
- 写真付き予定表
- やることリスト
- 色分けした週間予定
などを使います。
時間を頭の中だけで管理するのではなく、
外に見える形で置いておくことが大切です。
交通機関を使う力も学習の一つ
将来の自立を考えると、
公共交通機関を使う力も大切です。
たとえば、
- 行き先を確認する
- 時刻表を見る
- 乗換案内を使う
- 交通系ICカードを使う
- 降りる場所を確認する
- 困ったときに駅員へ聞く
- 家族へ連絡する
- 道に迷ったときに地図を見る
などです。
一度に一人でできるようにするのではなく、
親や支援者と一緒に繰り返します。
移動支援などの福祉サービスを活用し、
親以外の人と外出する経験を積む方法もあります。

