学習障害のある子どもの勉強を、
家庭でどう支えたらよいのか。
私も、ずっと悩んできました。
何度練習しても漢字を覚えられない。
計算の手順が定着しない。
文章を読んでも、途中で分からなくなる。
問題文を理解する前に疲れてしまう。
昨日できたことが、今日はできない。
親から見ると、
「もう少し練習すればできるのでは」
「やり方を変えたら覚えられるのでは」
「このまま勉強が分からないままで大丈夫なのだろうか」
と心配になります。
その一方で、子ども自身も、
できないことを誰より感じています。
周りの子が短時間で終わらせる問題に、
自分だけ長い時間がかかる。
頑張って書いても間違いを指摘される。
読めないことや計算できないことを、
努力不足のように受け取られる。
そうした経験が積み重なると、
勉強そのものを嫌がるようになることがあります。
私の子どもも、学年相当の内容をすべて同じように学べるわけではありません。
国語や算数では、実際の学年より前の段階に戻って学ぶ必要がある一方で、
社会や理科など、興味のある内容は年齢相応に理解できることがあります。
この差を見ていると、
「できない子」なのではなく、
学びやすい方法と学びにくい方法が、はっきりしている子
なのだと思うようになりました。
学習障害の子どもの勉強では、
苦手を繰り返し練習させるだけでは、うまくいかないことがあります。
必要なのは、
- 子どもがどこでつまずいているのかを知ること
- 練習によって身につける部分を見極めること
- 道具や支援で補うこと
- 将来の生活で本当に必要な力を考えること
- 子どもの自信を失わせないこと
です。
この記事では、私自身の経験を踏まえながら、
漢字、読み、文章理解、計算、ビジョントレーニング、タブレットの活用、そして生活に必要な能力まで、学習障害のある子どもの学び方を幅広く整理します。
学習障害(LD)とは
学習障害は、一般的にLDとも呼ばれます。
全体的な知的発達に大きな遅れがなくても、
- 聞く
- 話す
- 読む
- 書く
- 計算する
- 推論する
といった能力のうち、特定のものを身につけたり、使ったりすることに大きな困難がある状態です。
子どもによって、困り方は違います。
読むことが難しい子。
書くことが難しい子。
計算が難しい子。
複数の困難が重なっている子。
ASDやADHD、不安の強さ、感覚過敏などが重なっている場合もあります。
そのため、同じ「LD」という診断や指摘があっても、
効果的な勉強方法は一人ひとり違います。
大切なのは、
学年ではなく、その子が今どこまで理解できているかを見ること
だと思います。
「できない」の中身を分けて考える
子どもが問題を解けないとき、
大人から見ると、すべて同じ「分からない」に見えることがあります。
でも、実際にはさまざまな理由があります。
たとえば、算数の文章問題が解けない場合でも、
- 問題文を正確に読めない
- 読むことに力を使い、内容が頭に残らない
- 数字の意味が分からない
- 足し算か引き算かを判断できない
- 式は分かるが計算で間違える
- 答えをどこに書くのか分からない
- 問題の量を見ただけで不安になる
という違いがあります。
漢字を書けない場合も同じです。
- 形を正確に捉えられない
- 部首の位置が分からない
- 音と文字が結びつかない
- 書き順を覚えられない
- 覚えても思い出せない
- 手先を細かく動かすことが難しい
- マスの中に収めることが難しい
- 書くこと自体に大きな疲労がある
という可能性があります。
だから、「できないから繰り返す」のではなく、
まずは、
どの段階で止まっているのか
を見つける必要があります。
勉強の目的を「学年に追いつくこと」だけにしない
親としては、
できれば学年相当の勉強ができるようになってほしいと思います。
私もそうです。
周りの子と同じ教科書を使い、
同じテストを受け、
同じように進学できたら安心だと思います。
でも、学習障害のある子にとって、
学年に追いつくことだけを目標にすると、毎日が苦しい練習になってしまうことがあります。
子どもの学びには、いくつかの目的があります。
学校の授業に参加するための学び
教科書を読む。
問題を解く。
テストを受ける。
基礎的な力を身につけるための学び
文字を読む。
数の意味を知る。
自分の考えを伝える。
生活するための学び
時計を見る。
買い物をする。
お金を管理する。
予定を確認する。
困ったときに助けを求める。
好きなことを広げるための学び
興味のあることを調べる。
動画や本から知識を得る。
得意なことを仕事や楽しみにつなげる。
学校の勉強だけが、学びのすべてではありません。
子どもの将来を考えると、
生活に必要な力と、自分の得意を生かす力
も同じくらい大切だと感じています。
家庭学習の前に確認したいこと
学習障害のある子どもは、
勉強以前の負担が大きいことがあります。
学校で一日過ごすだけで疲れている。
音や光、人の多さで消耗している。
先生や友達との関係で緊張している。
間違えることへの不安が強い。
その状態で、帰宅後すぐに宿題を始めても、
頭に入らないことがあります。
勉強を始める前に、次のことを確認します。
- 空腹ではないか
- 疲れすぎていないか
- 音や光が負担になっていないか
- 座る姿勢が苦しくないか
- 問題量を見て不安になっていないか
- 学校で嫌なことがなかったか
- 今、勉強できる状態か
できない日は、休むことも必要です。
疲れ切った状態で無理に取り組むと、
勉強への苦手意識だけが強くなることがあります。

